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カレンダーと同期
2024年3月1日
本科第33回・専攻科第31回 卒業証書授与式
3月1日(金)、本科第33回・専攻科第31回卒業証書授与式を挙行いたしました。天候にも恵まれ、多くの来賓・保護者の方々にご参列いただき、卒業生10名の新たな門出を祝っていただきました。心よりお礼申し上げます。
卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。卒業生の皆さんの凛とした姿を、在校生は真剣な眼差しで見つめていました。皆さんが受け継ぎ、そして新たに築いてこられた伝統や歴史を守りながら、在校生がさらに発展させていきます。皆さんの新たなステージでの活躍を祈念しています。
校長式辞
校庭の木々が梅から桜へと春のバトンをつなぎつつあるこの佳き日、ご来賓、保護者の皆様のご臨席を賜り、本科第33回、専攻科第31回卒業証書授与式を挙行できますことを大変喜ばしく存じます。ただ今、卒業証書を授与しました本科9名、専攻科1名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
一人一人の証書を受け取る姿と表情を見て、改めて皆さんが本校で過ごした日々の意義と価値を感じ、校長として胸を張って送り出すことができると確信しました。「つなぐ新時代」これは、皆さんが創り上げた今年度の文化祭サブテーマです。この言葉が私にはとても印象深く心に残っています。校長として学校運営の舵取りをしていく中で、常に強く意識したことでもあります。コロナ禍が明けて、色々な場所で以前の生活スタイルが戻ってきました。しかし、気付いてみると、人々の考え方や価値観など、多くの点で以前とは変わっているように感じます。中でも大きな変化の一つが多様性の尊重です。これは本科生徒が手話劇で演じたテーマ、LGBTQやいじめの問題とも関連しています。これまで、日本の社会では皆と同じであることが求められ、同じ格好で、同じ価値観に基づき、同じ行動をとることが望ましい姿でした。そうすることで、集団としての力を最大限に発揮し、世界経済の中で力を高めていったわけです。私や皆さんの両親、祖父母が過ごしたのがそういう時代でした。しかし、これからは同じやり方では上手くいきません。違うもの、異質なものが含まれることに価値があり、互いに認め合うことが経済においても、文化においても大切な要素となってゆきます。つまり、少数派(珍しいもの)に価値があるということです。このような時代、聞こえない・聞こえにくいこと、手話という少数派の言語を使うことは、多数派(聞こえる人)が占める社会で、集団の価値を高めるための「強み」になり得るということです。聞こえないことはハンディではなく、皆さんの大切な「売り」なのです。それでもやっぱり、少数派として生きることは大変です。一人傷つき、苦しい時には、「一人じゃない、皆がいる。」ことを思い出してください。ここで共に過ごした、仲間、先輩・後輩、先生たちがいます。本校で過ごした時間を大切に、誇りをもって、いつでも遊びにきてください。本校のファミリーはいつでも温かくお迎えします。
最後になりましたが、保護者の皆さま、お子様のご卒業を職員一同心からお慶びいたします。また、これまでの本校へのご理解とご協力に改めまして心から感謝申し上げます。お子様の難聴の確定診断からこれまで、皆さまには本当に不安を感じられた時期、言語の獲得やコミュニケーション、学力・社会性の習得について悩まれた時期など、大変なご苦労があったことかと存じます。本日、この日を迎えられましたのは、ひとえに皆さまのそのご苦労があったからこそであると確信いたします。本日をもって、皆さまのご苦労も一つの区切りを迎えました。これからは、独立した一人の大人として、引き続きお子様のさらなる成長を温かく見守っていただきたいと存じます。また、先輩保護者として、引き続き本校へのご支援を賜りますようお願いいたします。卒業生の皆さんの輝かしい未来と本日ご臨席の皆様のご多幸を祈念して、式辞といたします。
令和六年三月一日
福岡県立福岡高等聴覚特別支援学校
校長 早川 就
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