2025年3月1日(土)
令和6年度 本科 第34回 卒業証書授与式

~ 13名の生徒達が、新たな道ヘと旅立ちました ~

 3月1日(土)、本科第34回卒業証書授与式を挙行いたしました。天候にも恵まれる中、多くの来賓・保護者の方々にご参列いただき、卒業生13名の新たな門出を祝っていただきました。心よりお礼申し上げます。

 卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。卒業生の皆さんの凛とした姿を、在校生は真剣な眼差しで見つめていました。皆さんが受け継ぎ、そして新たに築いてこられた伝統や歴史を守りながら、在校生がさらに発展させていきます。皆さんの新たなステージでの活躍を祈念しています。


 下記に、校長式辞を掲載いたします。

式 辞

春一番が冬将軍を吹き飛ばし、ようやく梅から櫻へと本格的な春の訪れを迎えようとしているこの佳き日に、ご来賓並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、本科第34回卒業証書授与式を挙行できますことを心よりお慶び申し上げます。

ただ今、卒業証書を授与しました本科13名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さん全員が晴々と、そして堂々と卒業証書を受け取る姿を見て、改めて校長として自信と誇りを持って本校から送り出すことができます。

「We be ourselves ~一人一人の花を咲かせよう~」。これは、皆さんが創り上げた今年度の文化祭テーマです。私たちは私たちらしく、ろう者であること、手話ができることに誇りを持ち、互いの個性を生かしながら、かけがえのない仲間と協力して自分たちらしい文化祭を創り上げる。このような思いでテーマを決めて、見事に達成してくれました。この時、皆さんの手話劇を見た地域の方からは、「近くでこんなに素晴らしい活動が行われていたことを全く知らなかった。このような手話の魅力と生徒たちの素晴らしい取組を、もっと地域の人たちに広く知ってもらいたい。」と言われ、今、その方法について検討中です。このように、皆さん一人一人が自分らしさを生かしつつ、チームで力を合わせれば、一人では成し遂げられない凄い力を発揮するのです。

このことは、これからの皆さんの人生においても同じです。元ラグビー日本代表選手であり監督も務めた故平尾誠二氏がこのような言葉を遺されました。「個人がチームのことを自分のことのように考えていなければ、チームはよくならない。いいチームは試合に出ていない人間までが、自分はチームに何ができるかといつも一所懸命に考えている。その原点は何かと言うと、やはり自発性にある。」

これから皆さんが進まれる新しい場所においても、どうぞ自分らしさを大切に、所属チームである学校やサークル、職場、作業班のことを当事者として考え、自ら行動できる人になってください。きっと、皆さんにしかできない大切な役割があるはずです。皆さんが自信をもって、それぞれの場所で活躍することで、本校や後輩たちの理解と啓発につながり、共生社会を生み出す貴重な一歩となります。

それでも、少数派として生きるのは大変です。一人で悩み苦しい時には、ここで共に過ごした仲間や先輩・後輩、先生を遠慮なく頼ってください。本校で過ごした大切な時間に誇りをもって、いつでも遊びにきてください。本校のファミリーはいつでも温かく迎えます。

最後になりましたが、保護者の皆さま。お子様のご卒業を職員一同心からお慶びいたします。また、これまでの本校へのご理解とご協力に、改めて心から感謝申し上げます。今日の日を迎えるまでの子育てには、不安や迷い、悩み、苦しみ、そして喜びなど紆余曲折があったかと存じます。本日、無事この日を迎えられましたのは、ひとえに皆様のそのご苦労があったからこそであります。本日をもって、その苦労も一つの区切りを迎えました。これからは一人の大人として、お子様のさらなる成長を見守っていただくとともに、先輩保護者として、引き続き本校へのご支援を賜りますようお願いいたします。

卒業生の皆さんの輝かしい未来と本日ご臨席の皆様のご多幸を祈念して、式辞といたします。

令和7年3月1日 

福岡県立福岡高等聴覚特別支援学校

校長 早川 就



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