3月1日(日)、本科第35回、専攻科第32回卒業証書授与式を挙行いたしました。春の訪れを感じさせる穏やかな天候のもと、多くのご来賓ならびに保護者の皆様にご臨席を賜り、卒業生24名の晴れやかな門出をともにお祝いできましたことを、心より御礼申し上げます。
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。式に臨む皆さんの凛とした姿には、この日を迎えるまでの努力や仲間との思い出、そしてそれぞれの歩みが重なっているように感じられました。その姿を見つめる在校生のまなざしにも、憧れと決意が宿っていました。
皆さんが大切に守り、築き上げてきた本校の伝統と歴史は、確かに後輩たちへと受け継がれていきます。皆さんにとって、本校での日々が、これからの人生を支える確かな力となることを信じています。



下記に、校長式辞を掲載いたします。
令和7年度福岡県立福岡高等聴覚特別支援学校
本科第三十五回・専攻科第三十二回卒業証書授与式
式 辞
草花や木々の変化に春の訪れが感じられる今日の佳き日に、県教育委員会をはじめ、多数のご来賓並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、本科第三十五回・専攻科第三十二回卒業証書授与式を挙行できますことは、私どもの大きな慶びであり、心から感謝申し上げます。
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
本科卒業生は3年間、専攻科卒業生は5年間を本校で過ごしました。私が本校で皆さんと共に過ごしたのは一年間だけでしたが、その一年間の中でも、皆さんの成長する姿をしっかりと見せていただくことができました。
よいことや楽しいこともたくさんあったと思いますが、一人一人、悩みや苦しみがあり、解決すべき課題がありました。それは、勉学や進路であったり、人間関係であったり、時には自分自身であったのではないでしょうか。しかし、いくつもの壁を乗り越えて、皆さんは今、未来に向かって胸を張り、ここにいます。それはもちろん一人一人の努力の結果ですが、それだけではありません。
本校は、きこえない・きこえにくい仲間が集う学校です。皆さんは「伝えること」の大切さと難しさと、「分かり合うこと」の喜びを知っています。だからこそ、手話という共通の言語を用い、学び合う中で真摯に考えや気持ちを伝え、心を開いて相手を理解しようという姿勢を身に付けてきました。仲間と本気でぶつかり合い、助け合い、喜びや悲しみを共にしてきた本校での生活の中で、きこえない・きこえにくい自分に自信をもち、自分らしく生きていくことの価値と社会での役割を実感できたのではないかと思います。
世の中は、「共生社会」の実現に向かって大きく動いています。その実現のためには、法律や制度も大切ですが、皆さん一人一人が、当事者としての視点で世の中を見て、仲間と一緒に周囲の人を巻き込んで行動することが大切です。昨年10月に、早良区市民センターで行われた「早良区人権講座」で、本科の皆さんは手話劇を披露しました。専攻科の皆さんは、受付や案内を担ってくれました。あの時、皆さんが仲間と一緒に地域の方々の前に出て、堂々と思いを述べ、人の心を動かしたことには大きな意味があったと思います。地域の方々と共に踏み出した、「共生社会」の実現に向けた大きな一歩となりました。皆さんには本当にすばらしい力があると感じた一日でした。
4月からは、それぞれの場所で新しい生活が始まります。聴者に囲まれて生活する卒業生も多くいます。きこえないことの社会的な壁を感じることもあるでしょう。そんな時こそ、本校で過ごしたことを思い出してください。同じきこえない・きこえにくい仲間がたくさんいること、その仲間たちがそれぞれの場所で頑張っていること、そして、応援している後輩達や我々教職員がいることを思い出してください。
最後になりましたが、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。お子様が立派に成長された姿に、感慨もひとしおのことと存じます。心からお祝い申し上げます。また、これまで本校の教育活動に、多大なるご理解とご協力を賜りましたことに対しまして、厚くお礼申し上げます。
それでは、卒業生の皆さん、教職員一同、本校で皆さんと出会えたことに心から感謝しています。卒業生の皆さんの今後の人生が希望に満ちていること、また、ご参列の皆様方のご多幸をお祈りして式辞といたします。
令和8年3月1日
福岡県立福岡高等聴覚特別支援学校 校長 秋山 洋子
同日に予定されている行事
