学校長挨拶

 本年4月、本校第19代校長として着任しました秋山です。

 本校は、私が平成17年4月に国語の教員として赴任して以来、平成30年度までの14年間を過ごし、様々な役割や役職を経験することで育ててもらった学校です。今年度、新たに校長として本校に勤めることができることを大変嬉しく思います。

 本校は平成元年に開校し、本年度創立37年目となります。この間多くの卒業生を輩出し、全国の様々な企業等への就職、大学や専門学校への進学などそれぞれの目標を達成し、各方面で活躍しています。その中には、教員や寄宿舎指導員として本校をはじめ県内の聴覚特別支援学校で聞こえない・聞こえにくい子供たちの教育に携わるとともに、ロールモデルとして活躍している卒業生もおり、大変心強く感じているところです。

 さて、令和5年4月に福岡県では「福岡県手話言語条例」が施行されました。「手話の普及その他の手話を使用しやすい環境の整備は、手話が言語であるという認識の下、ろう者が手話を使い日常生活や社会生活を安心して営むことができる社会の実現を旨として行われなければならない。」という基本理念の下、様々な取組が進められるなど、聴覚障がいや手話に対する世の中のとらえ方は変化してきました。

 また、多様性が尊重されインクルーシブ教育システムが進む中、聴覚に障がいのある生徒の学びの場も多様になってきており、補聴器の性能の向上や人工内耳の増加、音声認識アプリの普及など科学技術や医療の進歩に少子化の影響も相まって、本校の学校規模はこの十数年で大きく変化してきています。

 そのような中、本校は県内唯一の聴覚障がい教育を専門とする高等部単独校として、生徒の社会自立に向けて力を発揮することで、聴覚障がいを有する生徒やその保護者の皆様に、希望や信頼をもって選ばれる学校でありたいと考えます。

 本校の目指す生徒像は「自ら考え、自ら行動する生徒」「自他を大切にする生徒」「心身ともに健全な生徒」です。聴覚障がいを有する生徒が集い、一人一人が学校生活の主役として主体的に活動し、仲間や教員と心を開いて語り合う中で、多くの人の行動や考えに触れ、自分自身と比較したりそれを基にして改めて自分の行動や考えを見つめなおしたりする経験を積み重ねることで、目指す生徒像の実現を目指します。この福岡高等聴覚特別支援学校は、生徒がそのような大切な経験を積むことができるたった一つの場所です。

 普通科の3年間、また専攻科を含めた5年間の中で、生徒一人一人がそのような出会いと経験を通して、本校生徒としての自信と誇り、新たな夢と目標をもって巣立っていけるよう、職員一同全力で努めたいと思います。

 保護者、地域、関係機関の皆様には、本年度も本校の教育活動へのご理解とご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

令和7年4月                                       

校長 秋山 洋子

2025年4月
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