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2021年9月27日

卒業生からのメッセージ(第18期卒業生・山元幸太さん)

卒業生からのメッセージ

18期卒業生 山元幸太

 

私は2008年卒で、現在トヨタ自動車九州に勤めており、今年でもう13年目になる中堅社員です。

入社して間もない頃、感じた事が2つあり、それが初心を忘れないようにさせてくれる訓戒となっています。

1つ目は人間関係の構築です。中学部まで、地元のろう学校で育った私が、県内外の生徒が集う福岡高等聴覚特別支援学校に入学するに至って苦労したのは、新たな人間関係の構築でした。入社してからも全く同じで、聴覚障がい者であろうと健聴者であろうと人間関係を一から築く事は難しく、そして多くを学ばせていただきました。

高校生活では、手話ができて当たり前の環境が、会社に入るとガラリと一変し、まわりが健聴者で手話ができる人はほんの僅かだったので、緊張や不安が何倍もありました。私は、その中で自分から挨拶することに努め、自分が聞こえないことを周囲の方々に伝え、理解してもらうようにしました。それからコミュニケーションを少しずつとることで、職場の仲間たちの聴覚障がい者への理解が深まり、自分も仕事の意欲が上がっていきました。皆さんも在学中に先生方や友人と話をして、コミュニケ-ション能力を向上出来るよう頑張ってほしいと思っております。

他にも、筆談でのコミュニケーションがもどかしく、なかなか言いたいことが通じず苦労する面もありました。例えば、作業をしていて物に傷があったり、部品が足りなくなった時に健聴者であれば、作業しながら責任者に連絡できます。私は作業を一旦止めて要点をまとめて筆談をしないといけないため、どうしても遅れが出てしまいます。聴覚障がい者が皆そうと限らないですが、私の場合は、ジェスチャーや口形の掲示を行うことで、責任者に連絡することができ、コミュニケーションも取れるようになりました。働いて13年目になりましたが、最初は通じなかったジェスチャーや口形が通じるようになり、スムーズに仕事ができるようになりました。そのおかげで、上級技能の研修を受けることができ、ランクがあがり、給料も上がり、さらに仕事を頑張る気持ちが高まりました。

上級技能の研修受講対象者に選ばれるためには、新入社員の頃から、作業のミスを繰り返さない、分からないことを上司に聞く、おかしいところがあったら速やかに上司に連絡することを常に心掛けていました。今でも、その意識を持って仕事に励んでいます。

    2つ目は、手話で通じ合える環境のすばらしさです。福岡高等聴覚特別支援学校に勤めている先生方はほぼ手話を使えます。それがどんなに恵まれていたのか、社会人になって身に沁みています。

高校生活の中で、先生方に自立に必要なマナーや言葉遣い、挨拶などを指導していただきました。社会人になったときにそれらを活かして、自分から積極的に挨拶することができ、人間関係が円滑になりました。その経験から、手話のできる環境の中で自立に必要なマナーを身につけて良かったと思っています。当時の先生方と出会えたこと、様々なことを指導していただいたことは、今でも忘れられません。皆さんも充分にコミュニケーションがとれる現在の環境の中で、積極的に様々なことを身につけ、それを社会に出たとき活かして欲しいと思います。

今の生徒は就職、大学進学の希望者が五分五分と聞いています。それだけ人生の選択肢が増えてきたということは、悩みも昔と比べたら多いだろうと想像できます。就職などで悩んでいることがあれば先生に相談して、アドバイスをもらって頭の中に入れてほしいです。先生は真摯に受け止めてあなたたちの気持ちを汲み取ってくれます。


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