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 卒業生からのメッセージ
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2022年2月4日

卒業生からのメッセージ (第18期卒業生・藤瀬剛太さん)

 卒業生からのメッセージ 

藤瀬剛太さん


福岡高等聾学校第18期生及び、高等部専攻科ビジネスコースの第22期生です。そして、現在トヨタ自動車九州株式会社に勤めて10年目になります。


 私は幼稚部から聾学校に通っていました。聾学校の魅力や強みは何かと聞かれたら、やはり、円滑なコミュニケーションが取れることだと答えるでしょう。生徒同士で会話ができるのもそうですが、生徒と先生の会話でも先生に手話を使ってもらえているからこそ、スムーズにやり取りができます。手話で会話ができるので些細なことも含め、自分の意思をはっきり先生に伝えることができます。


特に自分の将来は自分にしか決められないので、進路に関してはっきり意見を言えないままでは良くありません。ちゃんと言い合える環境が大事だと思います。実は私は、高校卒業後は就職希望でした。製造系、事務系などの3つの会社の試験と面接を受けましたが、不採用でした。進路先が決まらないまま卒業を迎え、専攻科に行くことになりました。


そこで様々な資格を取得し、就職面接でアピールしようと頑張りました。専攻科の先生方に手話を使って分かりやすい授業をしてもらったおかげで、簿記やワープロ試験などの資格を取得することができました。資格をアピールポイントとして、トヨタ自動車の試験に合格することができました。


もし聴者の学校だったら、様々な資格を取得するのに苦労したかもしれません。授業以外の場でも先生方が手話でコミュニケーションを取ってくれました。そのありがたさが聴者の世界に入った今ならよく分かります。先生方のフォローに大変感謝しています。それが私の思う聾学校の強みです。


 現在、仕事を始めて10年経ちますが、人間関係が未だに難しいと感じています。他のろう者の中には職場の方との人間関係がうまくいかなくて情緒不安定になり、辞めざるを得なくなった人がいることをよく聞きます。聴覚障がい者はコミュニケーションが苦手な人が多く、聴者との会話手段にも長けていません。社会に入るとこれまで当たり前だったことが通用しなくなることが多くなります。自分の気持ちが伝わりにくく、段々消極的になってしまいます。


しかし、そのようであればますます相手側に理解されにくくなり、人間関係が悪化することもあります。まず、自分を理解してもらうことが大事です。まずは顔を見て挨拶するというような簡単なことを続けていくことで、人間関係が良くなります。職場の人と、ちょっかいを出し合ったり笑い合えたりするように、これからも人間関係を大切に築いていきたいと思っています。


また、入社した当時、職場では口話中心だったので、情報を把握することができず、品質の判断や対応方法などがわからず、困ることがしばしばありました。その様子を見た上司がノートを使って筆談することで職場の情報を提供してくれました。(図2) 今もその上司に感謝しています。今はノートや電子メモを用意し、自分から情報保障をお願いするようにしています。

          

(図2)

 

自分の人生は一度きりです。何かあったら、1人で悩まずに保護者や先生又は友達でもいいので、相談してみてください。特に保護者や先生は社会経験が豊富ですし、皆さんが思っている以上に見守ってくれています。現在、私には子供が2人います。自分が親になって改めて今まで育ててくれた両親の大変さを実感しています。フォローしてくださる方は全力で接してくれるので、本音を吐き出し、悔いのない決断をしてほしいです。



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