本日の入学式における校長式辞をご紹介します。
式 辞
花冷えの風に桜しべ降るこの季節、ご来賓並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、令和5年度第35回入学式を挙行できますことは、我々学校にとってこの上ない喜びであり、ご臨席の皆様に心より感謝申し上げます。
本日ここに、本科24名の新入生を迎えることができました。新入生の皆さん、入学おめでとう。皆さんの入学を在校生及び職員一同心から歓迎いたします。
さて、皆さんは今日に至るまで、それぞれ色々な環境で色々な人たちと出会い、色々な経験を積んできました。その中には、皆さんが覚えている人もいれば、まだ幼くてよく覚えていない人や経験もあるかと思います。そして、その人たちからいただいた支援、協力、励まし、そして、積み重ねた経験の結果、今の皆さんがあるわけです。また、その人たちとの出会いと経験の多くは、皆さんの親、家族を通してのことだったかと思います。
しかし、これからは少し違います。そうやってできた今の皆さん一人一人の個性がここに集まり、皆さん自身の選択と判断によって、新しい出会いが生まれ、新しい経験をもつ機会が増えていきます。一人一人、全く異なる個性同士が集まるのですから、当然対立もあります、衝突も起こります。それでも、同じ聞こえない・聞こえにくい友達同士、また、先輩たちと、恐れることなく語り合ってください。たくさん汗と涙を流してください。その一つ一つが皆さんの人生において、大切な宝物となっていきます。この福岡高等聴覚特別支援学校は、皆さんがそういう経験を積むことができる県内唯一無二の場所です。3年間はあっという間です。皆さん一人一人が、そのような出会いと経験を通して切磋琢磨され、全員が自信と誇り、新たな夢と目標を持って本校を巣立っていけるよう、我々職員も全力で応援します。
そして、保護者の皆様。これまでの子育ての中、たくさんの悩みと不安、苦しみを経て、本日を迎えられたことに対しまして、心から敬意と祝意を表します。今日からは、ぜひ、お子様の自己選択、自己決定の機会を意図的に設けていただきたいと思います。そうして、一人の大人として、これから大人になりゆく生徒を同じ土俵において接していただければと存じます。私たち職員も、これからの社会を逞しく生き抜いていける人材育成を目指し、精一杯生徒たちの成長を支えていきたいと思います。
結びに、本日ご多用の中、ご臨席を賜りましたご来賓並びにご出席いただけなかった地域、関係機関の方々に、今後とも一層のご支援を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。
令和5年4月7日
福岡県立福岡高等聴覚特別支援学校
校長
早 川 就